三重県議会議員(志摩市選出) 中嶋としき 活動報告:政務調査:もっと危機感とスピード感を持つべきでは?
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もっと危機感とスピード感を持つべきでは?

政務調査|11/01/13

 津市にある県医師会館で三重大学大学院が開催した「地域医療への政策提言はどうあるべきか~経済・医療・公衆衛生の立場から~」へ参加してきました。

 志摩地域をはじめ全国あちらこちらで崩壊している地域医療の現状。加えて人口減少、超高速で進む高齢社会。これら医療を巡る大変厳しい状況を打破し「三重モデル」とも言える地域医療再生への取組を考えよう、という主旨のシンポジウムです。

 このシンポジウムで議論となったのは「まちなか医療集積」。これは地方の中核都市や中小都市の中心部に医療機能を集積させ、高齢者を中心に医療サービスの受け手ともども「医療と人が集まるまちづくり」によって地域活性化を図ろう、という考えです。

 非常に興味深いシンポジウムでした。ただ、、、

私としては「机上論では成立するだろうけれど、現実問題としていかがか?」という疑問を持たざるを得ませんでした。医療機能を効率化させ、少しでも医療関係者の負担を減らしながら地域住民の生命と健康を守れるような地域医療体制を構築することは誰もが目指すところです。
 そのために医療サービスの質や量、入手(アクセス)の容易さなどに関して誰かがどこかで一定の「我慢」や「忍耐」、あるいは「あきらめ」をしなくてはいけないことも理解せざるを得ないところです。

 しかし、やはり命に関わること。日々、志摩地域の医療体制の現状に不満と不安を感じる一人として理屈と現実とのギャップを感じざるを得ませんでした。「死」に対する考え方を変えたとしても医療のあり方については、なかなか万人が合意できる姿を見出すのは至難の技であると改めて感じました。

 実際、アメリカのオバマ政権も「国民皆医療保険制度」導入で大きくつまづき中間選挙の敗北につながりました。日本でも昨年の参議院議員選挙で医療・介護サービス維持を図るために消費税を増税する、と(いきなり)提案した管民主党は退潮し、内閣支持率も下がる一方です。

 もちろん学術的見地からさまざまな検討や提言をすることは重要です。こうしたあるべき論がなければ現状を打破することはできません。

 その一方で現実的な直面する課題を解決する成果を出さなければ誰も納得する政策はできないのではないでしょうか?

 
 こうした観点から本日のシンポジウムに関わって県政に対し2点疑問に感じたことを書き留めておきます。

 一点目は健康福祉部が進めているドクターなど医療関係者への「ありがとう」のメッセージ募集。非常にいい取組だと思っているのですが、医療に興味を持つ人が集まるこうしたシンポジウムでPRをまったく行わないのはなぜか?こうした「ありがとう」精神が本日の話題ともなった「ソーシャル・キャピタル」(この意味の詳細は割愛します)そのものなのに、、、せっかくの機会になぜPRしなかったのか??こうした直面する課題解決の具体的政策をまず示すことが必要ではないでしょうか。

 二点目は健康福祉部の幹部のかたが発表されたデータについての解釈。その概要は「三重県は医師不足と言えども絶対数はここ数年で増加している。しかし、公立病院を中心とした勤務医が大きく減少していることが地域医療の危機を招いている」というものです。
 確かにそのとおりなのです。私が以前別の政務調査で得たデータによると、2004年~2008年の4年間に三重県は10万人当たり6.9人ドクターが増えています。しかし、同時期の全国平均は12.3人であり、三重県の増加率は全国ワースト5位という厳しいものでした。その上に指摘されたように公立病院のドクターが大きく減少している、という現状は非常に危機的なものです。三重県は医師の絶対数確保も他県に比べて出来ていない「医療後進県」であるという現実をもっと真摯に見つめるべきではないかと思いました。

 私たち三重県民はもっと危機感とスピード感を持って目の前にある地域医療の崩壊という最大の課題に取り組んでいかなくていけないのではないでしょうか。