三重県議会議員(志摩市選出) 中嶋としき 活動報告:政務調査:自治立法権の分権改革
TOPページ>政務調査 >自治立法権の分権改革

自治立法権の分権改革

政務調査|08/01/21

 地方自治法施行60周年を記念した三重県主催のセミナーに参加してきました。
 セミナーのタイトルは「地方分権改革と自治立法権の拡充・強化」というお堅いテーマ。

 北海道大学大学院の人見剛教授を講師に、約2時間の講義をいただきました。150名程度入ることの出来る会場は市町議員の皆さんや市町・県の職員、そして私たち県議会議員でいっぱい。志摩市からも小森議長をはじめ数多くの議員が出席され熱心に聴き入っていられました(市町議員のなかでは志摩市が一番多かったような気もします!)。

 細かい内容はあまりにも専門的になりますが要点と私の意見(「→」以降の部分)を沿えてご紹介します。

要点1
 2000年の地方分権一括法によって地方自治体がつくれる条例の範囲が広がった。同時に、議会による議員立法がしやすくなった。

→かつての中央集権のころは国が地方自治を統制してきました。県の業務の7割は国の事務を代わりにやっていて、県議会が県民の立場から自主的な判断をするのは3割だけでした。
 これが住民による地方自治の統制へと変わったのが2000年の地方分権一括法です。そういった意味でもこの法律は大きな意味を持ったものでした。

要点2
 2000年の地方分権一括法で残った課題として、国の定める法令や通達によって地方自治体の独自性に一定の枠がはめられ、実質的に自治体が決定できる仕組みができていない。現在進められている第二期の地方分権改革では、立法権の分権が大きなテーマとなっている。

→県がつくる条例の多くは国がモデルを示した文章をベースにしているものも多く、その運用や解釈も法令や通達でしばられていることが多いことは「実質的な」分権になっていないと言わざるを得ないでしょう。これを実現するには自治体職員のスキルアップが必要であると同時に、私たち議会議員もしっかりと議論できるようにならなくてはいけません。
 立法権の分権自体は否定しませんが、国としての統一性のバランスをどう確保するのか、これが大きな課題かと思いました(・・・だから道州制が議論されているのかも?)。

要点3
 これまでとても厳密だった「条例は法律の範囲内でなくてはならない」という考え方(憲法第94条)が地方分権の観点から変わりつつある。例えば、環境基準を法律よりも厳しくする「上乗せ」条例が認められてきたりしている。
 これからは固有の自治事務については法律を書き換えて運用する「上書き」条例も認められていく可能性もある。

→なかなか過激な意見ではあります。条例制定権の範囲や限界についての学会や裁判所の議論は、どうも国と自治体との権限争いのような感じがします。本来は法令であれ条例であれどちらでもいいですが、住民にとって望ましい規制や権限・義務を定めている方を優先的に考える、という視点も重要ではないのか?と思いました。

 
 以上が簡単(でも複雑?)な報告でした。ただ、「国が定める法令が絶対的なもの」と決め付けて思考停止になってしまうことがもっともいけない!ということを改めて感じました。